「高血圧症」の施術の時、鍼灸師が考える3つのこと
今回は「高血圧」の施術のときの場合、
鍼灸師がいったい何を考えながら施術をしているのかをお話します。
最初にことわっておきますが、これはあくまで私の場合です。
高血圧症は安静時に140/90㎜hg以上の血圧の方を言います。
高血圧は脳や心臓、腎臓の血管にダメージを与えるのは
皆さんもご存知だと思います。
高血圧症の施術が鍼灸治療やその他の手技施術でできるのかと聞かれれば
答えはイエスです。
ではその施術の時、いったい何をしようと考えているかというと、
1. 末梢の毛細血管の拡張
毛細血管は、からだの99%の血管です。
意外に思うかもしれませんが大きい血管は1%しかありません。
これは日本における、中小企業と大企業との割合と同じです。
この毛細血管、年齢とともに減少します。
なんと20代を100とすると、
70代では60くらいの数になってしまうんです。
だから、高齢になるほど高血圧になってしまうんですね。
その毛細血管が拡張すれば、心臓は楽に血液を送ることができます。
毛細血管は手足など、
からだの末端に多いので手足のツボを丹念に刺激することになります。
2. 血圧をコントロールしている部位
次に体の血圧をコントロールしている部位を刺激します。
そこは首の横、もしくは前側になります。
そこには総頸動脈が通っています。
その動脈が首で脳に行く内頚動脈と顔や頭の外側に行く外頸動脈に分かれる分岐点に
頚動脈洞という血圧をコントロールしているポイントがあります。
そのあたりの筋肉が緊張していれば丹念にゆるめるわけです。
3腎臓の働きを良くする
腎機能は血液から余分なものを取り除くフィルターのような役割をしています。
からだに多くの塩分があると血圧が上がってしまうので、
腎臓で余分な塩分もこしとっています。
しかし腎機能が悪くなると、
塩分を正常な値まで下げることができずに血圧が上がってしまいます。
そこで腎機能を高めるため、
背中の腰上部の筋肉のコリを緩めていきます。
腎臓は背中側にあって、腎臓の疲れは背中、腰の張りとなって出るものなのです。
他にも、ツボや毛骨のゆがみ、クライアントの好み(施術方法、部位、刺激の強さ)
等を考えて施術しています。
まとめ
鍼灸師が高血圧症の施術をしている時考えていることは
1. 末梢の毛細血管の拡張
2. 血圧をコントロールしている部位
3. 腎臓の働きを良くする